2023.1.27
キャリア形成 どうやって活かせばいい?
キャリアコンサルタントの西村由美です。
前回の続きです。
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マイナスな経験をどうやって次に活かせるか?
マイナスな経験をどのようにとらえるのか2パターンあると思います。
このマイナスな経験を、黒歴史、なかったこととしてとらえる人、そして、マイナスな経験をばねに次のチャレンジに活かそうと負けず嫌いになる人。
私は負けず嫌いではないから、忘れたい。
これ実は、原因と結果がイコールではありません。
忘れたいという結果に原因を紐づけているだけです。
マイナスだった結果を自分で諦めてしまっているだけなのです。どんなことでも、必ず成功するという方程式はありません。もしかしてつかみ損ねたと思っている理想は、その道を進んでいると必ずしも成功だったという確約はないはずなのです。
例えば、大学受験に失敗して滑り止めの大学に通うことになった。
しかしそこで、親友や恋人と出会うことが運命だったかもしれません。
また、幼いころに望んだ仕事とは違う仕事を選ぶことになり、それが天職となる人もいるかもしれません。そして、その運命的な出会いは第一志望の大学で必ず得られたものという確約は決してないですよね。就職も同じ。自分が結果的に選択せざるを得なかったことは、その次の人生の選択に必ず影響しています。
ただ、その選択で、私はマイナスな経験だからと大学に行かない、仕事をしないなどの消極的な選択をしていると運命の出会い(人に限りません)のチャンスを失ってしまうことになります。
どんな人でも、成功に見えていてもそこに至るには思い至ったプロセスの人はほとんどいません!(言い切ってしまいます!)
子供のころから野球が上手で、甲子園に出場して、プロ野球に入った人はみな、人生の成功者ですか?
プロ野球選手としてさらに成功している人はほんの一握り。1軍にも登録されずそのまま引退する人も多くいます。
しかし、最近ではその後の人生を野球選手として関わったことを活かしてタレント活動のみならず、法律の専門家になったり、英語を勉強して野球専門の通訳になったり、セカンドキャリア開発も多く行われています。
長い人生では、プロ野球選手だった時期はとても短いのです。そして若くして引退というのはマイナスな経験でしょう。ましてや子供のころから野球漬けであった人は、これから何をしていけばいいのか絶望を抱いたでしょう。それでも長い人生において視点を変えて次のステージのためにこれまでの経験を次のキャリアにつなげています。
そのあなたのマイナスな経験は絶望して人生を諦めなければならないことですか?
私は、マイナスな経験は次に進む道を絞り込んでくれていると考えています。CAを目指したけど採用されなかった。でも、そもそもなぜCAになりたかったのか?空の仕事にあこがれたのか。接客のプロになりたかったのか。それはCAでなければ実現できなかったのか。
CAになりたい、はあくまでも手段の話であり、あなたが本質的に人生で達成したいことの唯一の方法ではありません。
ブラインドコミュニケーションの開発時に、多くの視覚障がい者に会いました。アイデアをいただける視覚障がい者の方は目が見えないから何もできないと人生を諦めている人はほとんどいなくて、目が見えないからできることが制限されているので逆にできることは「なんでも」やってみているという意識の高さに驚かされました。
目が見えないから個人でできるスポーツはマラソンくらいなのよ!と笑って言ってくれた方。
健常の時にはマラソンをしようなどとは考えもしていなかったそうです。チームにはパラリンピックのメダリストもいるから、私もメダルめざそうかしらとキラキラした笑顔で話す方。オリンピックで金メダル目指すのは考えもしなかったけど、パラリンピックなら私にも可能性がある!と。
私たちが「マイナスな経験」と思っていることは、次の成功のために敢えて経験すべきことなのかもしれません。その苦しみや辛さが次の成功への切符なのです。