2023.2.10
気持ちが暖かくなる社会
キャリアコンサルタントの西村由美です。
今回は、客室乗務員(以下CA時代に経験した気持ちが暖かくなった経験で今の考えに繋がっていることをお話しします。
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飛行機内で赤ちゃんが離着陸時に大泣きして、リラックスしていたのに迷惑に感じた。
最近こういったSNSの書き込みを見ました。
これって、赤ちゃんを泣かすな!といったクレームだと思われがちです。
飛行機は、離着陸時に気圧の変化があるため大人でも耳の「キーン」といった感じになるかと思います。赤ちゃんはその調整がうまくできません。そのため、その現象を「怖い」「不安」などと思い、言語で話せないため、泣いてしまうことが原因の一つといわれています。そして離着陸時には、安全上の理由からシートベルトをしていただき、お子さんもぎゅっと抱きしめてくださいとお願いをしています。赤ちゃんは恐怖から泣いてしまう環境は整っていると(苦笑)もいえます。
CAはそのことを知っているのですが、離着陸時にはCAも動けない状態。
周りのお客様の不快な顔が見えて、とても焦っていました。赤ちゃんが泣いていることでほかのお客様が不快に思われると、どうしよう!って焦っていました。
ところが、目の前に座っていたの女性のお客様からご意見をいただきました。
赤ちゃんが泣くのは仕方ないよねー
でも、そのお母さんが「泣き止みなさい」って大きな声で言っているのが私は不快なのよね。
そんな怖い顔で赤ちゃんを叱っても泣き止まないわ。
でも、お母さんにそういわせているのは、周りの私たちなのよね。。。
無言の「泣き止ませろ」プレッシャーでお母さんもつらいよね。自分たちだって昔は泣いていたのね。 周りが赤ちゃん、しんどいよね。もう少し頑張ってねという雰囲気を作らなきゃだめよね。
私は、目が覚める思いでした。
赤ちゃんを泣き止ませなきゃ!私もその雰囲気を作ってしまっていたのです。
赤ちゃんをあやして、泣き止ませることが、解決することだと思っていました。
それはあくまでも手段であって、本来の解決ではなかったのです。
降機して、先輩にこの話をしました。
「よく飛行機に乗られているお客様だとそういうありがたい言葉をいただけるのよ。私たちもヘルプができない離着陸の時ではなく、安定した時に着陸時にびっくりして泣くかもしれないけど、それはこういう現象なんです。飲み物を用意してあげたり、安心した状況を作ってあげてくださいねと、お母さまにお話しして、周りのお客様にも私たちから赤ちゃんがいるので、離着陸時に泣くかもしれませんが、赤ちゃんも頑張っているのでご不快になられるかもしれませんが、応援してあげてくださいと、声がけできれば、手助けができるのかもしれないね」とアドバイスをくれました。
現在、視覚障がいの娘がいる私。
自分からも周りに応援をお願いして、サポートをしてくれる方々に感謝をして、温かい気持ちで娘に色々な経験をさせてあげたい。迷惑になるから社会から隔離したくない。でもそれを周りに強制するのは違うし。。。と悩んでいるときにこの経験を思い出しました。
世の中の「不快」トラブルは、視点を変えると暖かい社会に変わっていけるといいなと思っています。